【一級建築士学科試験‗過去問分析】H27_計画03--建築史が苦手でも、せめてモダニズムは押さえておこう

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平成27年度 一級建築士 学科試験 「計画」No.03

 

近代建築作品と作者とジャンルの組み合わせから、間違いを見つける問題です。近代建築は非常に範囲が広いところなので、全てをカバーしようとすると、それだけで時間を取られてしまいます。それでいて1問出るか出ないかなので、過去問を覚えるだけで終わらせて、新問が出たら諦めるという人も多いでしょう。まあ、それもひとつの作戦ですが。

関連した過去問だと、こんなのがありました。

アーツ・アンド・クラフツ運動は、手仕事とデザインを結びつけて生活と芸術を統一することを主な目的とし、ウィリアム・モリスが主導したデザイン運動である。(平成21年度 〇)

・アドルフ・ロースは、「必要形式」という考え方を提示し、機能主義・合理主義の設計理論の先駆者とされており、代表的な作品に「ウィーン郵便貯金局」がある(平成20年度 × 正しくはオットー・ヴァグナー

 設問が長い割には、丸暗記していても今回の問題を解くための要素が全て入っていません。アーツ・アンド・クラフツ運動の代表的な建築作品は何か、オットー・ヴァグナーが属していた運動は何かなど、過去問の周辺事項まで抑えていて、はじめて選択肢を絞れる問題なのです

過去問の丸暗記だけでは、あと一歩のところで正解に辿り着けないという、性格の悪い人が作成したかのようなこの問題。でも、実はこれ、あることを知っていれば、即答できるんです

 

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1972年って、フランク・ロイド・ライト、とっくに死んどるわ! 

 いや、ライトの没年なんて常識でもなんでもないですよ。でも、せめてモダニズムが2つの世界大戦と同時期のムーブメントってことくらいは、建築設計を仕事にしたい人なら知っていてほしいです、個人的には。

バウハウスがナチスに目をつけられたために閉館したとか、ミースがアメリカに亡命したとか、そういう雑学からでも、モダニズムのおおよその年代は当たりをつけられるんです。パッと見は無理そうな問題でも、知っている知識を総動員すれば、どうにかなることもあるんです

そして、過去の学歴によっては、モダニズムなんて知っていて当たり前という人たちが一定数いることも意識しておいてください。学生だった頃に建築史を学んでいる人たちですね。

近年、建築作品の設問の割合が妙に増えている傾向にあります。近代建築は捨てると決めている人でも、モダニズムの時期、代表的な建築作品や人物くらいは、頭に入れておいたほうがいいです。これは、周りとの差をつけるためではなく、差を埋めるための作業です

 なおついでに、キンベル美術館の周辺情報も抑えておきましょう。作者はフィッシャー邸(平成28年に出題)でも知られるルイス・カーン。かまぼこ状の屋根にスリットが入っており、反射板によって自然光が室内に拡散されるという、試験元が大好きなパッシブデザインを駆使した作品なので、この辺りは今後出てくる可能性は大いにあります。あと、もしかしたら、2次の製図試験のときのヒントになるかもしれません。

 

テクニック

建築史が苦手でも、せめてモダニズムは常識だと意識する

試験元だって、モダニズムくらいは知ってるだろという意識で出題してくるはずです。「取らせる問題」を落とすのは、非常にもったいないでしょう。

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世界遺産 ル・コルビュジエ作品群 (TOTO建築叢書)

世界遺産 ル・コルビュジエ作品群 (TOTO建築叢書)

 

 あと、コルビュジエの建築作品17点が世界遺産に登録されましたので、けっこうマイナーなところを突いてくる可能性があります。平成28年には、まさかのクルチェット邸が出題されてますし。

 

 

 

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